あしからず

ドリーマーズのあしからずのレビュー・感想・評価

ドリーマーズ(2003年製作の映画)
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シネフィルの美しき双子とそこに引き込まれたアメリカ人の青年。しかしこれは3人の映画ではなくどこまでも2人と1人の映画だった。

冒頭、緑魔子といい名前に緑がつく女優は緑色が似合うなあなんてエヴァ・グリーンを観てどうでもいい事を考えてたら、あれよあれよと言う間に私もアメリカの青年も双子の世界に囚われていた。
性的倒錯へ招かれ、双子の片割れとセックスするアメリカ人青年。青年は真剣で、愛してると言い片割れと2人きりでデートに出かける。だが双子が見ているのはお互いだけ。ただ倫理観はギリギリあるので一線は超えない。その代わりに青年とセックスをして擬似体験をする。青年はただ代用品の他人でしかない。それがこの映画のやるせなさだ。
ラスト、“街が部屋に入ってきて”3人は巣を飛び出す。国の壁もあると思うけど人間の壁が1番残酷だと感じる最後だった

ヌーヴェルヴァーグ頃の映画の引用がたのしくて、特に「はなればなれに」を真似てルーブルを駆け抜けて新記録だす所が最高。
あとは三面鏡の使い方が印象的で、お風呂場でのルイ・ガレルの強調はけっこう強烈だしちょっと笑ってしまった
あしからず

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