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永遠の0のchachazkのレビュー・感想・評価

永遠の0(2013年製作の映画)
4.5
可能な限り次の世代へ語り継いでいくべき映画。いまさら2023年の今に観て、劇中「10年もすれば戦争を経験した世代もいなくなる」と2013年の映画が語る。思い返してみると明治生まれの110歳(!)の祖母含め、90歳代の親戚の爺婆が立て続けにこの1、2年で亡くなり、見渡してみると自分の周りには戦争経験者がついにはいなくなってしまった。もう少し早くこの映画を観ていれば、あるいは戦争経験のある血族から直接話を聞きたいという欲求が生まれていれば、それが叶えられたのだがそれはいつの間にかついえていた。この映画では「語り継ぐ」ことを重要視しているように感じたが、それはコロナ時代を経験した世代として同じ物語でもオフラインなのかオンラインなのか、他人伝えなのか本人から直接なのかで、経験はまるで違うものになり得ることを痛いほど感じている。口伝という最も古く脆弱で非効率的な情報伝達の手段が、人間の心に対しては実は最も深く長く伝わる手段なのだろうと、思う。だから(話は飛躍するが)自分もそれを大切にしたいと思うし、特にそういった稀有な実体験の経験談は今もついえてしまうリスクにさらされていることを忘れず、可能な限り語り継ぐために、人の話は(どうでもいい軽話は置いておいて)傾聴し引き出したいものだと思った。何の話や。
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