Chippy

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官のChippyのレビュー・感想・評価

4.0
『移民問題』を描いた映画。そのテーマはリアルでとても重いけど、社会派ムービーながらヒューマンドラマとしても観れるストーリーになっていて、勉強にもなったし、非常に内容の濃く見応え満点の逸品でした。

映画では、夢を追ってきた若者、無断で国境を越えてきた不法就労者、アメリカに未来を求めて一家で移住してきた家族など、7人の衝撃的なドラマが描かれています。

アメリkでは911の後、「不法移民を見ればテロリストと思え」という考えがあります。それだけ今のアメリカは、恐怖と背中合わせだということです。法は絶対であり、正義の名の元に行使されなければならない。しかし、本当に法が全てなのか?というのが、本作からの問題提示です。法の行使で家族が離れ、夢を打ち砕かれ、悲劇を生み出すこともあります。それだけ移民については、奥に潜む問題がたくさんあるということです。

少し前に日本でも、確かイラン人だったと思うのですが、不法滞在者である両親と日本で産まれた子供の件が明るみに出て、結局、子供は日本残留、両親は帰国となったニュースがありました。

情状酌量を求める声と、不法者に対する当然の結果という声が出て、大いに論争が繰り広げられた記憶がありますが、今後、積極的に移民を受け入れると表明している我が国でも、こういったことが遠い国の話ではなく現実問題になるのは、そう遠くない未来の話なんだろうなぁと漠然と思いました。

難しい問題です。個人的には移民の受け入れに反対ですが。そうとも言ってられないだろう時代が来るのであれば、早いうちに考えていくべき重大なテーマだと思います。
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