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情愛と友情のcardamonのレビュー・感想・評価

情愛と友情(2008年製作の映画)
3.5
オックスフォード大での中産階級出身の青年チャールズと公爵の息子セバスチャンとの出会い、そしてセバスチャンの住む荘厳な城ブライズヘッドへのチャールズの憧れ……この流れは「ソルトバーン」を彷彿とさせ、もしや乗っ取りを計画してる?などと想像した(笑)。でも、あながち嘘でも無かった。友人の妹ジュリアに対する恋心には、ブライズヘッドを手に入れたいという密かな野心もあったのではないだろうか。結局、そこに立ちはだかる支配的な母親の存在により、チャールズは為す術もなかったのだが。

その母親の死により自由になった筈のジュリアだが、母親からの洗脳により体中に染み付いた宗教心を取り除く事は出来なかった。チャールズは最終的に、階級差より寧ろ、無神論者である自分と敬虔なカトリック教徒であるジュリアの持つ、絶対的な宗教観の違いが大きな壁であった事に気付く。

原作はイギリスの文芸小説。約2時間の尺では描き切れなかった部分がかなりあったのでは?全体的に雑な印象を受けた。とは言っても、オックスフォード大でのチャールズとセバスチャンの出会いからの流れは眼福であった。ブライズヘッドの荘厳さと美しさにも圧倒された。欲を言えば、ジュリアがもう少し細身の美女であれば……
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