さわら

映画「立候補」のさわらのレビュー・感想・評価

映画「立候補」(2013年製作の映画)
5.0
あらかじめ言っておくと、僕に支持政党はない。いわゆる無党派層である。そんな僕がこの映画を見て、とてつもなく笑い、さらにはとてつもなく感動した。ドキュメンタリー史上に残る傑作である。選挙を通じて、あらためて民主主義とは何か考えさせられた。多少、藤岡監督の編集に他候補への悪意を感じる場面もある。しかしそれは監督の表現であって、作品の価値を貶めるものではない。良識ある鑑賞者が、映画を見て情報の取捨選択すれば済む話である。マック赤坂氏をはじめ、勝つ見込みのない候補者にフォーカスを当てたこの作品、負けるとわかってそれでいてなぜ彼らは戦うのか?この映画を見終わったとき、毎日見た街角が姿を変えていた。「選挙」とはこの国の縮図だ。来るべき選挙の前に、この映画に出会えて良かった。ポレポレ東中野から、全国にこの映画が拡大することを心から望む。