Yuto

わたしはロランスのYutoのレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.4
やっぱりドラン監督が好きでたまらないんだなあと思った。
やりたい放題やってる感と、脳で考えることより、感性にどっぷりずっぷりという感じ。表現という自由さを体現している感じ。

最初の歌の時の目、印象的だな、ああゆう目を向けられたことがある。きっと向けたこともある。軽蔑とは言わなくても、奇怪の目、傷つけるつもりはなくても、受け手は敏感。
言語的にも、性差があるものだから、きっと字幕では伝わらないほど、セクシュアリティをフランス語という言葉で見事に表現していた。
彼の葛藤は一人称と三人称の問題なのだろう。
彼女の問題は一人称と二人称の問題なのだろう。

'普通'が揺らぐのは周囲の人間であり、'普通'を自認している人なのだ。
人の本質を見抜こうというフリをして、自分を騙し騙している。それが一番冷たい。

自分の周りのにマイノリティの人がいたらどうするだろう。
自分が大切に思ってる人の実像だと思っている姿が虚像だったらどうしよう。でも、相手には自分の思い込みの実像をそのまま求め続けてしまうのだろうか。
人の男らしさ、女らしさを愛することは罪ではない。でもそこに罪悪感を感じるようになってしまったらどうするんだろうか。
とにかく、Laurence Anyways、そういうことなのかもしれない。

色にしろ、言葉にしろ、音にしろ、情報過多な映画だなと思った。おそらくそう仕向けられているのだろうが。
何度も言おう、考えるのではないのだ。
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