甘味

わたしはロランスの甘味のレビュー・感想・評価

わたしはロランス(2012年製作の映画)
4.9
遅ればせながらグザヴィエ・ドランデビュー致しました。何ですかこのセンスの塊みたいな作品。映像、音楽、キャラクター、台詞、もう全てが最高に魅力的。いやはや参った…そら天才天才言われるわ。いったいどんな生き方したら23歳でこんなん撮れますのん。天性のアーティストですな。

物語は、主人公ロランスがある日自分が性同一性障害であることを同居の恋人フレッドに打ち明けた事から始まるてんやわんやの10年間。
ちなみにロランスは心は女性なのに恋愛対象も女性なトランスジェンダー。えーっと、何?つまり精神的にはレズビアンてこと?ややこしや…(村上春樹の海辺のカフカにも同タイプのキャラが居たなぁそう言えば)

はっきり言ってロランスにも相方のフレッドにも全然感情移入出来ないんですよ。でもそんなの関係無しに理屈抜きでめちゃくちゃ好きですこの映画。
いつも思うけど、本当にハマる作品って感情移入云々じゃないんですよね。観始めた瞬間心奪われ、自分の細胞が「好き好き好きー!」って叫びだすこの感覚。あー幸せだ。
またラストシーンの憎いこと憎いこと…。心打ち震える憎さですよまったく。エンドロールで肩震わせて泣きました。
あと、ロランスの母ちゃん最高。何気に一番好きなキャラです。カッコええわー。あんなおばちゃんになりたい 笑

欲を言えばちょっと長かったかな~。痴話喧嘩が3時間近くも続くとさすがに終盤ダレてきた感が…惜しい。個人的には2時間ぐらいに纏まってれば満点でした。

さてさて、他の作品も観ねば。一人ドラン祭開催するでー。わくわく!楽しみじゃ!
甘味

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