かえる

雲のように風のようにのかえるのネタバレレビュー・内容・結末

雲のように風のように(1990年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

仕方ないことだけど、原作の小説をめちゃくちゃはしょったんだろうなという印象。二人のお互いへの思いが強まっていく過程を見せてもらえてない(と思う)ので、馬小屋での一度きりの逢瀬が唐突に感じた。同室のもう1人のキャラは魅力的なのに見せ場少なくて残念。
そもそも、「後宮小説」というかなりアダルトそうな小説をなぜ全年齢アニメにしようと思った…。たるとが産道とか男女の区別とか、たぶん原作はもっと性・生殖に関する情報が多かったんじゃないだろうか。女大学も、房中術をメインに教えてたんじゃないのか。読んでないから知らんけど。

リアルタイム世代?のはずなのに何故か見たことなかったんだけど、「最高だからみんな見て」と布教する根強いファンが多いから、さぞかし良い作品なのだろうとずっと気になってた。配信にきたのを早速見たんだけど、自分向けではなかったみたい。
時代的なものもあるのか、好きな層の思い出補正なのか、初見が中年になってからだと響かなかった…多感な時期に見ないとハマらない作品てあるよな。岡崎京子の「リバーズエッジ」とかさ…

カクートの授業で男女は見た目だけでは区別できない、裸になっても区別できないケースがあるという話をしだしたので、てっきりこれは何かの伏線でトランスジェンダーがテーマかと思ったら全然そんなことないし。
わしゃてっきり、コミューンとタミューンが同一人物でトランスに違いない、だからあんな前振りをしたんだろうとばかり…
なのに判断基準は「子供を産むかどうか」てなんじゃそりゃ。生みたくても生めない人や出産可能年齢以外の女性はどうなるんだよ。出産能力のあるトランス男性もいるしな。

なんとなく、死者とかは出ない平和なコミカルほのぼの路線だと思って見てたので、タミューンが死んだシーンでめちゃめちゃびっくりした。急に世界線変わったというか…緊急事態だから仕方ないかもだけど、コミューンの死もけっこうあっさり気味に流されるし…
反乱軍の男たちが股間を押さえながらたるとから押し寄せて来るシーンは醜悪で不快感が強烈、ある意味よく描けている。作品全体をとおしてモブ一人一人が止まってないでそれぞれの動作をしている細かい描写がすごかった。

キャラデザの人がジブリ出身だとしても、もののけ姫のキャラデザってこの作品を参考にしすぎなのでは?見た目とキャラ設定がめちゃくちゃかぶってる…千と千尋の橋を渡って湯屋の建物に行くシーン、完全にたるとを抜ける(異界に足を踏み入れる)シーンだし。扉を開けてもらえないと入れないとか…
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