Maoryu002

エンダーのゲームのMaoryu002のレビュー・感想・評価

エンダーのゲーム(2013年製作の映画)
4.0
人類は異星生命体フォーミックの侵略を退けたが、つぎの攻撃に備えて才能ある子供たちによる軍隊を編成していた。ハイラム大佐(ハリソン・フォード)に才能を見込まれたエンダー(エイサ・バターフィールド)はペトラ(ヘイリー・スタインフェルド)らとともに訓練を受け、先制攻撃の準備を進める。

「ツォツィ」「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」などのギャヴィン・フッド監督による、ちょっと趣向の変わった映画だ。
まずは良くこの話を映像化したなと感心させられる。さすがに映像に物足りなさはあるものの、ユニークな設定と雰囲気に引き込まれた。やはり独創性がある映画はいい。

冒頭はかなりアクションを期待させるが、内容は訓練とエンダーの成長を描いていて、そこまでの派手さはない。
バトルルームの訓練など、ちょっとバカバカしさを感じてしまうが、洗練された映像とハリソン・フォード、ベン・キングズレー、ヴィオラ・デイヴィスという、なかなか重厚な布陣がシリアス度を高めてくれている。

それにしても、ゲーム感覚で大胆に動く子供を戦争に使うという発想がユニークだし恐ろしい。要するにゲームだよと子供を騙して殺し合いに使っちゃうんだから、とんでもない話だ。

エンダーの苦悩と、敵との戦い自体を否定するようなラストがこの映画のメッセージなんだろう。結局、フォーミックの意図は明確にはわからないが、恐怖が破壊を生むという現代にもある構図を想起させて、エンダーの成長に未来への希望を託しているように思えた。

当然ながら、主人公を演じたエイサ・バターフィールドを始め、若い俳優が大活躍だ。
「リトル・ミス・サンシャイン」「私の中のあなた」と、素晴らしい映画に出てきたアビゲイル・ブレスリンが、ちょっとお姉さんの役で印象的だが、「トゥルー・グリット」が鮮烈だったヘイリー・スタインフェルドはこの映画では今ひとつだったかな。
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