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危険なプロットのakrutmのレビュー・感想・評価

危険なプロット(2012年製作の映画)
4.0
週末の出来事を書いた作文をめぐって、作文を書く男子生徒クロードと、その内容に魅せられていく国語教師ジェルマンの行く末をサスペンスフルに描いた映画。最初は、現実に起こった週末の出来事が文章で書かれるという、現実が主で文章が従という関係なのが、そのうちに主従の関係が逆転していくという展開に思わず引き込まれていくし、その過程を虚実入り交じった形で描く手法もとても興味深い。また、ジェルマンが魅せられていく「覗き見」願望や、平和な家庭や年上女性へのクロードの偏狭的な執着が、本映画をさらに怪しげなものにしている。元々は、スペインの脚本家フアン・マヨルガの戯曲が原作であるが、それをこのような映画に仕上げたフランソワ・オゾン監督の手腕はさすがである。
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