ランニングマン

野獣死すべしのランニングマンのレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
3.9
昭和のハードボイルドの傑作。
松田優作の代表作。
数十年ぶりに鑑賞。無性に松田優作が観たくなった。今再観賞したらどう感じるのか?と。
街が人が昭和感満載。初めて観たのが10代だったからなぁ。一番鮮烈に記憶に残っていたのが、とにかく美人でスレンダーな小林麻美の存在。少年だった自分が吸い寄せられるように彼女の魅力に引き寄せられていた。とにかくイイ女。その彼女が銃弾を受ける衝撃は今でも忘れられなかった。
時を経て大人(おじさん?)になり感じる事は違和感だらけな事。銀行強盗なんて短絡的な人間のする事だし、正気の沙汰ではないのは明白。大金を手に入れて何をしたいのかも推測出来ないし、あれだけ発砲しまくって人殺しまくってまったく手がかりがない警察組織の無能さって(笑)
それでも優作の圧倒的な個性と狂気じみた何かに取り憑かれたような演技は、現代では魅せてくれるような俳優はいないなぁ、と思う。そういう意味では再見の価値はあるし、日本の映画史に色濃く爪痕は残されていると思う。