みつこ

MAMAのみつこのネタバレレビュー・内容・結末

MAMA(2013年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

私自身考察しきれてないと思うけど、どのブログの考察を読んでも納得いかなかったので、二つ考察書きます。


○妹は死んでいたのか

→死んでない
冒頭のイラストに描かれていたのは狼でも野犬でもなくアライグマで、殺されたのではなく噛まれて狂犬病に侵された。

姉は伯父が目を覚ました時、あの絵とは少し違いましたがアライグマの絵をプレゼントしてました。
おそらく作り手がヒントを出してくれたのかと。

噛まれたイラストの数枚先に吐血する絵があったのも、数ヶ月の潜伏期間の後に現れた狂犬病の症状の一つ。
北米ではアライグマによる狂犬病感染は珍しくないらしい、映画の舞台が北米かは知らんけど。

ではなぜ妹は生きているのか。

ママがラストシーンでたくさんの蛾になったことから、蛾=ママの細胞のようなもの。
病院で妹がベッドに隠れて蛾を食べていたことから、ママの人ならざる力をママの体の一部である蛾を食べる事で得て生き残っていたのではないかと。
ここはかなりファンタジーな解釈で自信ない部分です…
でもそうだったら最後にママと妹が一緒に行くのも納得ですよね。

○ママはなぜ実の我が子を投げ捨てたのか

→デルトロさん関わってるから

倫理的などうなん!とかは置いといて、デルトロさんの映画はファンタジーでありながらファンタジーを否定して、とことん残酷な現実を突きつけてくるものだと思います。

説明しずらいけど、
自分の見たいものだけ、ファンタジーとして捉えるとハッピーエンドだけど、現実にファンタジーは存在しなくて残酷な事実だけが残る。
というような感じ。

だから並の映画なら、ラストシーン我が子を抱えて成仏してハッピーエンドって流れが普通なんだけど、美しいファンタジーで終わらせないぜっていうのがデルトロ節なのかと。

それに元々精神病院に収容されていたママが、我が子を取り替えそうとしたのは“自分の手で愛し育むため”だったのかなと思ってます。
だから骨の我が子じゃそれができないから、絆されかけた心が妹の『ママッ!』の叫びで引き戻された。
施設の女性が言っていた『目的のためにさ迷う』の、目的を思い出したのかなーなんて。


とにかく死んでいった者(ファンタジーの世界)にとってはハッピーエンド。
残された者(現実世界)は残酷な事実のみが残る。
この二つのエンドがデルトロ節…

これを描くのが目的だから、我が子は投げ捨てられ、妹が連れて行かれた。

のかなーなんて思うけど、確かな根拠に基づく考察ではないから、違うよって思う人もいると思う。
この考察が完璧に正しいとは思ってないからそれぞれの解釈を重じて欲しい、です!



追記なんですけど、この映画の筋って
執着しまくりで妹を無理やり生かし姉を束縛しようとしたママと、適度な距離感で子供たちを支えるアナベルの相反する母性の対比なのかな。
だとするとファンタジーな世界で幸せに生きるはずのママたちはきっとずっと幸せになれないし、辛い現実の中で互いを尊重し合うアナベルたちはいつか幸せを掴むのでは?

行き過ぎた我が子への執着に警鐘をならし、親子の関係のあり方を問いかける作品だったのかな?

最初見たとき我が子や姉妹に強い愛を感じるママの母性が美しく感じたけど、ママが化け物として描かれているのはモンスターペアレントや毒親の化身的なやつだったのかも…鳥肌…

え…これほんとどういう意味なんでしょう…ぞわぞわする…
どなたか教えてください…!
みつこ

みつこ