TakayukiMonji

親密さのTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

親密さ(2012年製作の映画)
4.5
観たかった濱口竜介監督の長編がBSスカパー日本映画専門チャンネルで特集されてたので鑑賞。濱口監督の他作品にも通ずる作風でとても良かった。
「親密さ」という舞台の公演に向けた、劇団員たちの葛藤を描く。そして実際に、「親密さ」という舞台が劇中で上演される構成。
濱口監督も自身の作品を作る時に実際に取り入れているという本読みやワークショップのシーンを取り込んだあたりは、後の『ドライブマイカー』や『ハッピーアワー』にも通じる。実際に無名に近い役者たちを使っていることで、リアリティが増すと共に、上演に向けたプロセスや会話の積み重ねが役者の深掘りにも繋がっているようだ。これにより、実際に上演される劇中劇の本番の緊張感が高まり、ぐっと引き込まれる。どんな思いでその言葉を吐いているのか、そのヒリヒリ感がたまらない。濱口監督作品はやっぱり台詞の力、言葉の力、対話の力がすごい。
どんな思いで彼らは劇を終えたのか、終えたあとどうなったのか。

そういう思いが募る中での三部。ラストシーンは、奇跡的に撮影されたらしいが、痺れる名シーン。田町から山手線と京浜東北線は並走。人生の別れ道、分岐するだけでなく、また交わったり、並走したり、様々である。
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