月うさぎ

ゼロ・グラビティの月うさぎのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
4.4
この映画観て、宇宙には行かない!と固く決意したという人が続出(^^)
無重力って相当やっかいなものなのね。

どうやって撮ったんでしょう?!なんて問いはヤボなのですが、言わずにいられない。
宇宙ってこんなんなんだ~とついつい信じてしまう文系の私でした。(物理系の方だと、無重力、大気無しで本当にこういう現象が起きる?と疑問も出ちゃうのでは?)

2014年のお正月映画としてチョイス。IMAX3D初体験でした。
映像目的で行ったのでその点では大満足。

手で触れられそうな近さまで飛び出てくる映像。
顔めがけてくるシーンでは、わかっていても目をつぶらずにずにいられない迫力。
クリアな映像と空間の広さと無重力表現のリアリティ。
スペースシャトルの中に入っていくシーンでは自分も持っていかれるような感覚がありました。
すごかったです。

ストーリーはいたってシンプル。
ロシアの衛星爆破によって引き起こされた宇宙ゴミによる大惨事。
事故が連鎖し宇宙ステーション(ISS)が次々に破壊され、通信網も遮断。
たった一人取り残された主人公は芒洋とした宇宙から地球に帰還することができるのか?
というSFサスペンス。

サンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーという、オスカー俳優の共演が注目点ですが、ほとんど(生きて)出演する人物はこの二人のみ。
しかもジョージ・クルーニーがヘルメットを脱いでるシーンがあれだけ!なんてもったいない。

鑑賞直後にこの映画の感想を娘に聴いた。
『宇宙に行ってもろくなことないよ。
人間は地表で生息する生き物だよ』 
だって…
そんな~!!それだけ?

確かに。宇宙はいいところ。って話ではありませんでした。(^^;)

主人公二人共に地球上に悲しみを残して宇宙に来ていました。
一人は宇宙空間を旅することを、一人は静寂を求めて。

gravity は重力のことですが、地上の重さから逃れようと宇宙へ行っても人は無重力空間で生きるようには設計されていません。
重さを背負ってでも生きることには価値がある。
わずらわしいしがらみも喧騒もそれがないとなると泣きたいほど懐かしい。
根っからのスペースマンでさえ、故郷のローカルな音楽を聴き続けているのですから。

宇宙の孤独を体験して彼女は初めて人を求めている事に気づきます。
(ま、目新しくはないけれど)( ̄b ̄) シーッ

邦題にゼロをくっつけた感性はナンセンスという事ですね。

人間は死をもって生きることを知るのだ。

生き物はいつか死ぬ。
終わりが来ることがわかっているからこそ、
その時までこの重い体を引きずって地を這いつくばって生きよう。
私とつながる人がいる。
その幸せをかみしめながら。
月うさぎ

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