春花とおく

ゼロ・グラビティの春花とおくのレビュー・感想・評価

ゼロ・グラビティ(2013年製作の映画)
3.9
ストーリーはあってないようなもの。ただ、地球へ帰る。登場人物も二人、それもほぼ一人と言っていい。ただそれでも、終わった時の物足りなさはない。寧ろ、1時間半とは思えない重厚感がある。

何しろパワーが凄い。SFとはいえ、このような状況や打開策が、リアリティあるものかは素人には分からない。ただ、ありそうと思わせる、少なくとも説得力ある映像美や迫真の演技が両頬をぶん殴ってくるよう。

無重力を意識したカメラワークも楽しい。目まぐるしい視点の変化にこちらまで酔いそう。加えて地球と星空の対比が美しい。

音の効果も見逃せない。その時々の状況を盛り上げるBGMに、時々挟まれる無音、これが宇宙の恐ろしさを強く喚起させられる。

シンプルながら美しく、怖くて、そして勇気のでる作品だった。
春花とおく

春花とおく