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パトリオット・デイのyooyooのネタバレレビュー・内容・結末

パトリオット・デイ(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

終始緊張感が続く見事な演出、これがフィクションなら、ああ面白かったと素直に映画館を後にできたのに。チリっとした違和感、それがどんどんと広がっていく。
最後にあそこまでドキュメンタリーを入れるなら、なんでもっと犯人について描かなかったんだろう、と。

テロは本当に恐ろしいし、どんな理由だとしても到底受け入れられないけれど、なぜ彼らがその凶行に至ったのかという視点がキチンと描かれないと、あまりにもご都合的に思えてしまう。バカな兄弟って設定でごまかしたのかもしれないけど、あの奥さんのシーンからそれだけではないことはわかっているはず。

アメリカのやってることだって、あちらから見たらテロ同然。事件に対するボストンの人々の団結はほんとに素晴らしいと思うけど、この映画がただ賞賛されるとしたら、事件の根底に流れる状況に想像が至らないとしたら、世界中の紛争はなくならないなと虚しくなった。

亡くなった男の子の横でずっと立っていた警官には滂沱の涙。
ただの映画だったらよかったのに。
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