あやか

ハンナ・アーレントのあやかのレビュー・感想・評価

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)
5.0
「考えることで強くなること。危機的な状況でちゃんと考えて破滅に向かわないように」
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ハンナ・アーレントが、アイヒマンを「平凡な人」「思考が不可能だった」「悪魔的な意図などはなく命令に従っただけ」となぜ表現したか、意図を良く考える必要があると思った。

アイヒマンは、自分を守るために良心を捨て無思考的に上司の命令に従っただけだった。そこに特別な狂気的な悪意があったわけではない。つまり、誰もがアイヒマンのような罪を犯す可能性があったということだ。

アイヒマンを「絶対的な悪人だ」と決めつけ、なぜこんな行動をしたのか理解しようとしなければ、また同じ歴史が繰り返されてしまう。平凡な1人間が起こした行動から誰もが犯しかねない「悪の凡庸さ」に気づかなければいけない。

また、歴史こそ偏見抜きに事実を冷静に見つめなければいけない。ホロコーストの当事者でありながら、誰よりも事実を冷静に見つめ考え続けたハンナは本当にすごいと思った。
あやか

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