ひま

ハンナ・アーレントのひまのネタバレレビュー・内容・結末

ハンナ・アーレント(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

彼に善悪の判断はなく。彼はただ、ガス室にガスを流すボタンを押すだけの、舞台装置の大きな歯車の一つでしかなかった。

あそこでは、彼の人が全てでした。歯向かえば殺されるのは私だった。ボタンを押すことを止めれば、殺されるのは私だった。

例え歯車であったとしても、殺したのは彼だ。同胞を無意味に殺された怒りはないのかと。
一方向にほぼ全ての人間が首を揃えて指をさし、歯向かえば怒りを向けられる。
大義名分があるかないかというだけの違いだった。人が集まって力を得るのは、やはり恐ろしい。

台詞の一言一言が重い。
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