バロウの惨劇で夫のエバンを亡くしたステラは同じ境遇のポールらと知り合い、復讐を決意。ロスアンジェルスの奥深くに棲むヴァンパイアの根絶に挑むが…というストーリー。
「30デイズ・ナイト」の続編ですが、今回はオリジナルビデオになっています。前作のヒロインステラが主演ですが、メリッサ・ジョージからTVドラマなどで活躍してるキーリー・サンチェスに交代しています。
ヴァンパイアに家族を奪われ、その復讐のためにヴァンパイアを狩るポールたちと出会い、復讐のために共に戦う事を選んだステラはロスアンジェルスに棲む全てのヴァンパイアの女王リリスを倒すべく戦いを挑むという内容です。冒頭で軽く前作のおさらいありますが、前作見ておくに越したことはないですね。冒頭でバロウの惨劇について講演会をしていたステラが、失笑する聴衆に向けて会場にセットしていた紫外線ライト照射して潜んでいたヴァンパイアをあぶり出して会場がパニックになる所は良い引きでした。ただ、極夜が舞台でもないし30日間という日数も無いので普通のヴァンパイア物になったなという印象ですね。
そこからヴァンパイアハンター達と合流してヴァンパイアの巣窟に乗り込みますが、このハンター達がヴァンパイアとの戦い経験してきたとは思えないほど弱すぎです。ヴァンパイアの巣窟に潜入するのに一応マシンガンやショットガンで武装はするけど防具は付けてない軽装備で、ヴァンパイアたちが襲い掛かってきたらとにかく銃撃ちまくってすぐ弾切れ起こして早々に仲間一人襲われて噛まれちゃいますし、噛まれた仲間殺せずにステラに「経験無いの？」と聞かれて「仲間がなったのは初めてだ」と返す体たらくぶり。そもそも潜入作戦もあってないような粗雑な物でしたし。特にディオラ・ベアードが演じたアンジーは最初ステラにキツく当たって「素人だから」と仲間にするのも反対してましたが、いざ潜入すると太陽の届く場所から遠く離れた途端パニクって「一人で帰る」と単独行動しますし、ヴァンパイアの襲撃にもキャーキャー叫びながら銃撃ちまくって泣き言漏らしまくるしと全然役に立ちませんでしたね。「LOST」等に出ているハロルド・ペリノ―も登場シーン短かったですな。
彼らのリーダーであるデインは傷が浅かったために人間としての理性を保った吸血鬼というおいしい設定ありながらそれを活かすこともなく活躍することもなくアッサリ退場しましたね。絶対後で登場するだろうと思ってただけにアレで本当にアッサリ退場したのはビックリでした。
交代したキーリー・サンチェスも美人でショットガンやマシンガンぶっ放して危機を潜り抜けていく戦うヒロインぶりもあってたんじゃないでしょうか。ヴァンパイアハンター達の体たらくぶりと比例してより強く見えますね。後半で拘束された時も自分一人で何とかしたし。浴室で手当て受けてる中でのポールとのラブシーンは唐突でしたね。ラブシーン入れるように言われて入れましたみたいな感じで。でもブラは脱がないんだな。
ヴァンパイアたちは前作と同じく黒目でサメのような牙並んだ造形ですが、前作のような顔の魚っぽさは無くなって普通の顔になったな。前作の様な狡猾さも見せませんでしたね。
ヴァンパイアの女王リリスは登場シーン少なすぎてラスボスなのに影が薄く感じました。そして最後あまりにあっけなく倒され過ぎ…
OVだけどグロ描写に関しては前作より減っていると感じましたね。メジャー映画の前作の方がグロく感じたってのはどうよ…モーテルで襲ってきたヴァンパイアの顔に銃弾撃ち込みまくって破壊する所は良かったですが。
ヴァンパイアに銃撃ちこみまくる銃撃戦は見所と言えるかな。派手ではないですが。終盤の船内で餌として吊るされてる人の中で老婆が助け求めてくる所や、幼い子供までえじきになってる所はホラー的にはいい感じでした。
船内でヴァンパイアが行っているある行為を見たステラが最後にとる行動とラストは前作のエバンの潔さを台無しにするものでしたね。
前作と比べると低予算のOVとなった事であらゆる面でスケールダウンした残念な感じですが、低予算ヴァンパイア物としてはそれでも充分見れる出来だと思います。
