・2016/02/09
インファナル・アフェア+ゴッドファーザーといった趣の脚本にアウトレイジの画作り、仁義なき戦い広島死闘篇の大友勝利など、名作のいいところを取り入れてさらにブラッシュアップした傑作。
切れ者のジュングと少しおどけたチョン・チョン、葛藤の中で懊悩するジャソンなど、俳優の演技が秀逸。張り詰めた緊張感は心地よく、音楽(特に何度か繰り返し流されるピアノの曲)も素晴らしい。駐車場の乱闘とエレベーターのシーンはカメラワークが圧巻。
「現代韓国における華僑」というマイノリティを描いた物語でもあった。グッドフェローズで観たけど確かコーサ・ノストラは純潔のシチリア人でなければ幹部にはなれなかったはずだし、組織のリーダーシップは純潔の朝鮮人が執らなければならないとするジュングの思想にも特に引っかかりは覚えなかった。
暴力シーンが凄惨だと聞いてちょっと身構えていたけど、個人的にはそこまで酷いとも思わなかった。完成度の高い映画だったと思う。