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月の寵児たちのft0129のレビュー・感想・評価

月の寵児たち(1985年製作の映画)
2.7
ある中世の絵画を巡る群像劇

かと思いきや、そうはならない。
複数の登場人物たちが、とある狭い社会の中で複雑に絡み合うのかと思えば、絡み合うのは表面的なレベルに留まる。

絵画が物語の軸になるかと思いきや、途中で割れた皿や爆弾といった別の要素が登場し、それらの関係者もまた表面上で関わるだけで深みはない。さらには、物語の中盤で絵画自体が切り刻まれる展開となり、絵画の存在感がみるみる薄れていく。










物語がどのように結末を迎えるのか、嫌な予感を抱きながら観続けたが、その予感は的中。登場人物たちは唐突に殺されたり、刑務所送りになったり、急に男女の関係になったりと、ひとつのテーマや結論に収束することなく、それぞれがバラバラに結末を迎えるだけ。中には結末すら描かれず放置されたキャラクターもおり、観終わった後には何とも言えない虚無感だけが残った。

何を伝えたかったのか全くわからないクソ映画だった。
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