FREDDY

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界のFREDDYのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

冷戦時代に突入した1960年代の英ロンドンを舞台に、社会の変革を通じて成長していく思春期の少女の姿を描いた人間ドラマ作品ということで。まず触れたいのはやはり、ジンジャーを演じたエル・ファニングの圧巻の演技力ですね。表情豊かで繊細さもあり、今後どのような表情を見せてくれるのかが終始気になってしまうほどで、彼女の演技には期待すらも抱いてしまいました。そして、その期待に見事に応えてくれた終盤の泣きの演技にはもう心を大きく揺さぶられ、"素晴らしい"としか言いようがない。本当に良かった。ローザを演じたアリス・イングラートやナタリーを演じたクリスティーナ・ヘンドリックス、マークを演じたティモシー・スポールも魅力的でしたし、キャストに関しては申し分はないですね。描かれている内容としても、「核戦争」という題材も用いて、同じ病院の隣のベッド同士で生まれ、幼なじみとしてずっと一緒に育ったジンジャーとローザの青春の物語が紡がれていくのだが、物語の背景に"戦争"というものがあり、宗教や政治について語り合う2人が主軸であることには興味を惹かれましたし、彼女たちが見つめる"世界"がどのような変化を見せるのか、最後まで目が離せずにいました。ただ、映し出される青春ドラマは意外と浅く、言ってしまえば、冷戦下時代に突入した1960年代のロンドンを舞台とした"ケータイ小説"。題材やアイテムは面白いのだが、シナリオが少々といったところで、エル・ファニングをはじめとしたキャスト陣の演技がすべて。観ても損はないが、オススメは難しそうですね。
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