水蛇

リアリティのダンスの水蛇のレビュー・感想・評価

リアリティのダンス(2013年製作の映画)
4.4
南米の伝統的マジックリアリズムの揺りかご、これぞホドロフスキーのスケール感。愛の懐は深まるばかり。

もしわたしが彼の生い立ちを作品化したらきっとばかみたいにシリアスで陰惨で鬱陶しくて見てられない。ジョン・ウォーターズが漫画「ピーナッツ」について「人生で一番辛いことを笑い飛ばせる人が一番強いということを教えてくれた」って語ってたのをホドロフスキーに触れるたびに思い出す。

自分の感情と体験を軽視することなくしっかり受けとめて抱きしめたら、あとはちぎって紙吹雪にしてもいい。誰かを憎んでもいいし憎まなくてもいい、憎めとも憎むなとも指図されることはない。わたしのこの人生でもいろんなことがあった(し、たぶんこれからもある)けど、たぶん死ぬときには愛しか残らない。
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