トニー

リアリティのダンスのトニーのレビュー・感想・評価

リアリティのダンス(2013年製作の映画)
3.8
ホドロフスキー本人の幼少時代の自伝をもとに、家族との軋轢と再生を描く極私的作品。
"これは人々の魂を癒す映画であり、映画の中で家族を再生することで、わたしの魂を癒す映画でもあった"
監督自身のこの言葉からもわかるように、ホドロフスキーはこの映画で"芸術の意義"といものをまざまざと見せつけてくれた。辛過ぎる現実というものを劇中で改変することにより、そこに癒しやカタルシスを生み出し、また、そこを突き詰めればたとえそれが嘘であったとしても本人の中では真実として完結する。
最近では実話に基づく作品が多くそういった作品が賞レースでは高い評価を受け、フィクション(作り物)というものの存在意義が希薄になりつつあるなか、ホドロフスキーはそういったことに完璧な回答を示してくれたように思う。
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