背景には構造的不況に喘ぐ70年代のイギリスの現状と言うのがあるらしいが、そんな社会の中で自己実現の為にまさに我が道を進まんとする若者の姿を捉えたポスト・ブリティッシュ・ニューウェーブの快作！とのこと。ざっくり言ってしまうと地味〜な『花束みたいな恋をした』みたいな感じ。新進作家の彼とブルジョワ育ちの彼女とが運命的な恋に奔走するが、突然の妊娠、経済的な行き詰まり、親の緩やかな干渉等様々な困難にぶち当たり、徐々に楽しかった筈の二人きりの生活にも翳りが見えてくる。ただ本当に話としては相当地味、基本顔面がいい二人がイチャコラしてるだけ、大事なところは楽曲に語らせるスタイル。ドラッグに走る友人がいれば共産思想に走る友人がいたりと、まぁ困難な時代に自己実現を成し遂げる困難〜、な映画って感じだった。

こっちはカラーで役者もプロ。なんか始まってからすぐ起承転結も何にもないんだなって思わせるのはおんなじ。冒頭で歌ってるプードルみたいな髪型のお友達がキーパーソンか。ホンマに何をしだすか分からんヤツで面白かった。妊娠した件で乱入してハッパ吸うとこあたりから最後のあたり。彼女の親父もウザくて良い。監督曰く、素人の演出の方が大変だと。確かに、ピリピリした緊張感みたいのは無かった。役者も皆魅力的だし、田舎の風景とか、お部屋もステキ。最後の方でラブストーリーじゃなくてコメディだと気づいた。エンドロールの出し方絶妙に好き。

美男美女の二人。特に何も起こらないけど観てて楽しい。
それと、音楽のチョイスが素敵。