Denkishino

サイド・エフェクトのDenkishinoのレビュー・感想・評価

サイド・エフェクト(2013年製作の映画)
3.3
サイドエフェクト、和訳は副作用。
そのお題の通り、抗うつ剤による副作用のおはなし。
と思いきや、最後まで観るとなかなか凝った話になっています。精神病院に入ったら、私は正常と叫んでも疑われてしまう。ミロスフォアマン監督、ジャックニコルソン主演の「カッコーの巣の上で」は平常と異常に重きを置いていますが、こちらはサスペンス要素を主軸にそういった内容を盛り込んだもの。
ルーニーマーラの弱々しい華奢な、でも魅力ある、妖しい感じがとても良い雰囲気があります。段々と暴かれる実情に、どこまでが嘘でどこまでが本当なのか、気になる展開でした。ラストは、割とすんなり。
映画としては、特にこれといった新しい要素は見当たらないのが感想です。医療サスペンスと精神状態と、人間不信の様子も悪くはないのですが、今ひとつパンチが足りない印象。ただ全編通して、冷たい不安にさせる空気感はなかなか良かったと感じました。
近年問題になっているのはアメリカの鬱病患者の増大。ここ5年で30%と増えたといい、そういった描写がこの映画にもありますね。この作品は2013年ですが、その陰はあったのでしょう。しかし治療としての向精神薬の大量処方は、依存性が少ないだけで効果はもはや麻薬とどう違うのかと思ってしまいます。日本も関係ないわけではありませんね。
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