りょう

オスロ、8月31日のりょうのレビュー・感想・評価

オスロ、8月31日(2011年製作の映画)
3.0
 「わたしは最悪。」が話題のヨアヒム・トリアー監督の特集をWOWOWで放送してくれたので、その4作品を順番に観ることにしました。
 こういう作風なのかもしれませんが、少し実験的な映像の雰囲気でした。ノルウェーを舞台にした映画は初めて観たかもしれません。プロローグでオスロという街の印象を人々が語る断片的な音声とか、中盤で主人公が目にする街の人たちの日常風景(彼の空想?)とか、イメージ的な映像としては好きですが、ほとんど意図を理解できないままでした。
 それ以外は薬物の更生施設から外出した2日間程度の彼の足取りを淡々と描く物語です。友人に励まされるも、自己肯定感のかけらもないようなネガティブな反応に終止したり、社会復帰のための就職の面接も一方的に中断したり、序盤に自殺未遂のような行動も描かれているので、人生を半分あきらめている雰囲気です。
 中盤からは元恋人や妹と再会する欲求を表現したり、旧知の人たちとパーティで交流したり、過去には社交性のある生活があったんだろうと思いますが、翌朝まで過ごしてもなかなか抜けきらない何かがあるような…。ぼんやりとした印象だけで主人公の内面を理解できませんでしたが、しっかりした映像表現は印象的だったので、メジャー作品となる次作も観てみようと思います。
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