爆裂BOX

クラーケンフィールド HAKAISHINの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.3
海での不可解な事故で両親を失ったレイ・ライターは以来、その原因を探し求めていた。そんなある日、両親の事故現場で財宝伝説の調査をしていた考古学者が巨大な海洋生物と遭遇したと証言し…というストーリー。
「スパイダーVSマン」「メガスネーク」のティボー・タカクス監督による巨大イカ映画です。タイトルとジャケットは「クローバーフィールド」に便乗してますが、POVでもなければニューヨークが舞台でもありません。舞台は南海の港町です。
幼い頃にクラーケンに両親を奪われた主人公のレイは、その場所で神話上の宝石を学生二人と探す考古学者のフェリン博士がクラーケンを目撃したという話を聞き、調査に協力を申し出、同じく宝石を求めるマフィアやクラーケンと戦うという内容です。
本作の主役であるクラーケンはオールCGで描かれていますが、水中を泳ぐ姿や無数の触手を海上に出すシーンは悪くないんじゃないでしょうか。ただ、人間と絡むシーンになると合成の粗雑さが浮き彫りになって途端にチープさが増してる感じがありますね。大きさもダイオウイカサイズで船よりも大きい感じはないですね。沈没した船にある財宝を守っているという設定で、終盤でヒロインが「宝石を海に返せば襲われない」と言ったりしますが、レイの両親や船で来ていた一般人など特に財宝に近づいたわけでも無い人の方が襲われてたけどな。最初から出し惜しみせずクラーケンを出してくれるところはタカクス監督らしいですね。
ただ、クラーケンはどちらかというと財宝の場所に簡単に近づけさせないギミックみたいなのもので、モンスター物よりも海洋トレジャー物の趣が強いかな。両親殺されてクラーケンとの因縁がある主人公もクラーケン退治よりもヒロインナンパするのに力入れてる所もその印象強めます。敵役もクラーケンよりも一族の悲願の為に財宝狙うマフィアのマクスウェルの方が頑張ってた印象ですね。財宝狙うマフィアとの戦いの方がメインっぽいのは「シャーク・イン・ベニス」と似てますが、こちらはB級モンスター物多く手掛けるタカクス監督だけに、人間同士の戦いに乱入したりしてクラーケンも暴れてくれます。殆どの死因もクラーケンが原因ですし。
主演のチャーリー・オコンネルは「スタンド・バイ・ミー」のジェリー・オコンネルの弟さんだそうで、笑顔がそっくり。ヒロインの「ハウス・オブ・ザ・デッド2」等に出ていたヴィクトリア・プラットは考古学者役だけど、殆ど水着姿や下着姿でステキなスタイル披露してます。調査に協力する学生マイケル役でドラマ「グリー」の主役だった故コーリー・モンティスも出てます。マフィアに情報流す等やらかすけど、最後はカッコよかったかな。マフィアのボスの右腕役でよくドラマなどに悪役で出てるアレクス・ボーノヴィッチも出てます。
最後のクラーケンとの決着が地味すぎてビックリしました。アレでアッサリ倒されるとは。モンスターがメインじゃないからかな。
後、予告だとやたらイカ強調した面白台詞が流れますが、本編だと字幕も吹き替えも普通です。それ期待した人ガッカリするでしょうね。
タカクス監督作らしく暇潰しには十分になる作品だと思います。