ノノ

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマンのノノのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この作品が高く評価されているのは知ってたけれど、主婦が淡々と部屋の中で生活している映像を3時間以上も見て何が楽しいんだ…と思い見れずにいた。
息子との二人暮らし、息子が学校に行く間に家事を片付け、娼婦として家に客を呼んで稼いでいるジャンヌ。
ソファになるベッドをちゃんと毎朝ソファに戻してる人初めて見た。
ひたすらに同じ位置の定点カメラから撮られたこの恐ろしく長く感じられる時間経過は彼女の生活の退屈さや孤独を一緒に体験しているよう。
中盤、芋を剥く手つきがぎこちなく、何かを考え込んでいる。毎日起きてから寝るまで同じルーティンの繰り返し、一寸の緩みもなく繰り返される毎日は安定こそしているけれど、死ぬまでただ淡々と時間を潰しているような感覚でとても怖い。だけど、ルーティンが崩れていくのも恐ろしい。狂ったルーティンの中で忙しなく家事をこなす普段とは違う「考える」という致命的な時間ができてしまった。それが彼女の恐ろしい衝動の原動になってしまったんだと思う。
ジャンヌと同じ時間感覚を味わうには確かに3時間以上必要だったかもしれない。ハードすぎる小津作品を見ているようだった。意外と最後まで眠らずに見ることができたけど、何度も見たいかと言ったらそうでもない…。年取ったら変わるのかな( ̄^ ̄)
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