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水のないプールのtackyのレビュー・感想・評価

水のないプール(1982年製作の映画)
3.5
実話に基づく性犯罪映画だが、意外に芸術的でもなく、軽い印象の作品。
内田裕也の存在感のみ、際立っている。

若松孝二監督の作品は、エロさが殆ど皆無で、芸術的な表現優先の作風だけれど、途中からこれってコメディなんだと思いついて、俄然面白くなった。
象徴的な「水の無いプール」と「シャボン玉を吹く少女」が何度も登場するのだが、主人公の空虚な心を映しているというより、鼻につくバタ臭さが笑ってしまうぐらいだった。
特に眠らせた裸の女性たちをハベらして、食卓にご馳走を並べて写真撮るなんて、コント観てるみたいで、笑ってしまう。

しかし、「十階のモスキート」といい、「コミック雑誌なんかいらない」といい、この作品といい、実話をベースに犯罪を描く作品には、常に内田裕也の存在感。
そのどれもが、別の監督作品なのに、同じに圧倒されるのは何故なんだろう。
良い意味予想通りの安心感、悪い意味ワンパターン。
こんな個性的な俳優、渥美清か木村拓哉しか知らない。
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