Benito

硝子の塔のBenitoのレビュー・感想・評価

硝子の塔(1993年製作の映画)
4.5
【 サウンドトラックが、素敵な映画 】

日本公開時にはR指定だし、本国ではラジー賞各部門にことごとくノミネートされてしまった話題作。でも、好きな作品。

<サウンドトラック> 全13曲
「硝子の塔」の最大の魅力はサントラ。
Enigma(エニグマ)、Massive Attack、Neneh Cherryなどの低音域の効いたダウンビートの気持ちいいサウンド。UB40やShaggyのような陽気なレゲエやスカサウンド。スコアはハワード・ショアだけどサントラには未収録。元々は2曲目・13曲目のエニグマがスコア含め全体を手掛ける予定だったという。

1.Can't Help Falling in Love - UB40
2.Carly's Song - Enigma
3.Slid - Fluke
4.Unfinished Sympathy - Massive Attack
5.The Most Wonderful Girl - Lords Of Acid
6.Oh Carolina - Shaggy
7.Move With Me - Neneh Cherry
8.Slave to the Vibe - Aftershock
9.Penthouse and Pavement - Heaven 17
10.Skinflowers - Young Gods
11.Star Sail - Verve
12.Wild at Heart - Bigod 20
13.Carly's Loneliness - Enigma

エニグマの'Carly's Song' と'Carly's Loneliness' これはシャロン・ストーン演じる主人公カーリーのイメージから書き下ろされた曲。哀愁溢れる民族唱歌とグレゴリオ聖歌をサンプリングしてグラウンドビートに載せる作風は1993年当時衝撃的だった。今、聴いても色褪せていない。映画は一度しか観てないけど、サントラは何度も聴いている人は多いはず。


製作スタッフは一流。
監督はフィリップ・ノイス。
「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」「セイント」など骨太作を演出。
脚本はジョー・エスターハス。
「フラッシュダンス 」「白と黒のナイフ」 「氷の微笑」など話題作りが得意。
撮影はヴィルモス・ジグモンド。
「未知との遭遇 」「ディア・ハンター 」「天国の門 」「ミッドナイトクロス 」と名作、カルト作品の功労者。
スコアはハワード・ショア。
「ディパーテッド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「羊たちの沈黙」や他クローネンバーグ作常連の作曲家。

そしてこの映画は、オープニングもエンディングも別バージョンがある。
Sliver: Alternate Opening (1993) 4分
Sliver: Alternate Ending (1993) 20分
youtubeなどで上記未公開版を発見できるが、やっぱり公開版の方がしっくりくる。と、いうのもテスト公開時の評判が悪すぎての差し替えだから、結果オーライか…

公開版のシャロン・ストーンのラストの台詞は好きだ。
Benito

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