親であれ自分であれいつか訪れるだろう問題
呆けが進行する母親を自宅介護するが手に負えなくなり、同居の一人息子が施設入居を苦渋の決断。介護施設でも徐々に症状悪化するも、息子は意を決して母親を長崎の大きな祭りに連れ出すことにする・・・
どうやら原作は実体験を基にしたもののようで、エンディングロールにてその原作者と母親の写真が映し出される。ディスク特典にも原作者と主演:赤木春恵さんの短い対話が収録されている。
映画の出来についてはまずまずの印象。
呆け行く母親の回想シーンや幻想シーンは多少間延び感がないわけではないが、彼女の人生を辿るという意味でも意義は小さくなかった。
施設における他の入所老人にも認知症が進行している老人が少なくないが、実の子供さえ分からなくなる場面などこちらも心が痛くなる。そしてそれは親やひいては自らがそうなるかもしれないというヒリヒリした現実を突きつけられる場面でもある。
俳優陣は特に気になる点は無し。
岩松了さんも息子役を好演。認知症役のベテラン女優さんとかもちろんの熱演ですが、なんだか切なく感傷的になってしまいましたね。
総評三ツ星
002007
