悪意の連鎖で、差別意識を植え付けられた、マリーのような、南アフリカの白人たち。
ハタオリドリはいろんな色の鳥たちが一つの大きな籠の中でいくつも巣を作り、みな仲良く暮らしいてるのを見てもまだ気がつかない。
アパルトヘイトを当然だと疑わないそんなマリーが交換留学生としてアメリカへ渡る。
一方そんなマリーを受け入れるホストのデルラム家はアフリカ系アメリカ人。父は下院議員で割とブルジョワ系。
マリーはアメリカ人の裕福な家庭=白人だと思い込んで、空港でショックを受けてしまう。
そしてホストファミリーの娘パイパーもまた南アフリカから来る留学生=黒人だと思い込んでいてこれまたがっかりする。
そんな最悪の初対面も去る事ながら、長年の積み重なった、勘違いや思い込みからどんどんすれ違う2人。
アフリカではあり得ない、違う人種同士が同じテーブルを囲って食事をする様子を見て驚くマリー。
国の違い、文化の違いはここまでも違うのだと思うと、偏った思想を植え付けられたマリーのことが少し気の毒になる。
ポップなディズニー映画かと思ってたテーマは結構深刻。
このマリーは少しずつこのアメリカ文化を享受していけたけれど、リアルはどうなんだろう。
凝り固まった親からの価値観を剥がすって並大抵のものではない。
マリーが心を緩めたのは他でもないパイパーたちアメリカのホストが心を込めてマリーを娘のように認めたからなのだろう。
ハタオリドリのように色が違っても仲良く暮らせる、そんな事ができるのだと自分自身が身をもって体験することで、人種差別なんぞ何の意味も持たない無知から生まれる意識なのだということが分かるようになるのだろうな。
けっこう考えさせられる作品で良作だった。