アむーレ

舞妓はレディのアむーレのレビュー・感想・評価

舞妓はレディ(2014年製作の映画)
3.7
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舞妓を夢見て青森から遥々京都に来た春子。
ある茶屋を訪ね舞妓になりたいと申し出るも、どこの誰かもわからない人を舞妓にすることは出来ないと断られてしまう。しかし、その場に居合わせた京大学の教授であり言語学者が、生まれの鹿児島弁と今住んでいる青森弁の2つを使いこなす方言のキツイ女の子が舞妓として京都弁をどうマスターするのか興味を持ち、春子に京都弁を教えるからと女将を説得する。
こうして弟子入りした春子が舞妓のデビューを目指し奮闘する物語。
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京言葉、伝統、作法…等、きっと普通に作ればお堅くなってしまうであろう舞妓の弟子入りという題材をミュージカルとすることで楽しみながら見易い演出となっていて良かったと思います。
しかも上白石萌音の歌唱力は抜群でした。しかし他のキャストの歌唱力とのレベルの差が気になったかな。
もっと聴きたい、聴いていたいなと感じた歌声は主演の上白石萌音と女将の若年期を演じた大原櫻子くらい。ミュージカルの肝になるだけに、歌唱指導は音程作るだけじゃなくて質にももっとこだわって欲しかった。

また京都弁や鹿児島弁で会話する場面で、いまいち理解しにくいシーンがあり、そこでストーリーが抜けてしまうのが残念。特に言語学者が春子と鹿児島弁で会話する場面は字幕をつけてほしいくらいでした。
こうしたいまいち言葉が理解できなかった場面で語られた回想話などがストーリーの最終的な回収とうまく繋がらない部分があって勿体無いと感じた。

テレビのニュースなどでたまに取り上げられる舞妓さん。その舞妓さんがどのように稽古して一人前になるのかイメージできる作品で、それは一人一人の人間が舞妓になるために夢を見、努力し、花開いた姿なんだなと感じました。

「舞妓に一番大事なのは若さ。その若さは年齢ではなく一生懸命な若さ。そこにお客は春を見るんだ。」
舞妓に人はなぜ惹かれるのか。この映画が伝えたかったことはそこなのかなと感じました。
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