このレビューはネタバレを含みます
院生の卒業制作であるにもかかわらず、プロも顔負けな大傑作。エンターテインメント性抜群の娯楽映画然とした邦画。
大学の研究室に勤める主人公を見舞う理不尽な事件と、誘発されるシニカルな笑い。教授や事務員のやりとりは妙なリアリティを感じさせる。
冒頭で露骨なまでに表示される「この物語はフィクションである」という表記は、見終わってみると監督による痛烈な皮肉の様にも感じられる。
おそらく、始末書を窓からばらまく一連の流れ意外は全て実話を元にしているに違いない。フィクションなのはそのシーンだけだろう。
そういった、映画というフォーマットまでもを利用した見事な映像表現であるだろう。
最近の邦画には無い、素晴らしいブラックユーモアに溢れた傑作だ。