yayuyo

ブランカニエベスのyayuyoのレビュー・感想・評価

ブランカニエベス(2013年製作の映画)
4.5
1920年代のスペインにて波乱の人生を送った女闘牛士、
【ブランカニエベス=白雪姫】を描いたファンタジー。

2013年製作でありながら
全編サイレント&モノクロ。
『アーティスト』を彷彿させますが、
エンターテイメント性に溢れていたあちらに対し、今作はとてもダークな作り。
グリム童話で描かれていた
本来の『白雪姫』の雰囲気に近いものを感じます。
正直、めちゃくちゃ好みです!!

至る所で「赤」を感じさせる演出。
サイレントの表現方法が散りばめられ(白いドレスを黒に染めるシーンがすごく好き)、
台詞がなくとも伝わる状況。
スペインの情熱的な音楽や乾いた空気感。
サイレント&モノクロながら、
目を喜ばせ、耳に残るものとなっています。

役者さんも皆素晴らしい。
特に継母はサイレント特有の少しオーバーな演技をされていて、
そのハマりっぷりはお見事!!
主役を食っていました。


基本的に、私たちのよく知る『白雪姫』のストーリーをなぞりながら
ブランカニエベスの物語は進むのですが、途中から少しずつ童話と映画のズレが生じ、
あれ、このままだと何かおかしいな?
と思わせたところで唐突にエンディングを迎えます。

無常観に満ちたラストは様々な感情を思い起こさせ、
その美しい涙には思わず心が奪われてしまいます。
yayuyo

yayuyo