ロバが旅に出たところで馬になって帰ってくるわけではない。
このことわざの本来の意味は、知識のない者や愚かな者が旅に出ても、出発前と同じままで本質は変わらないこと。
だが、本当にこのことわざの意味はそれだけだろうか。ロバが馬にならないということを意識することで、自分を見つめ直すととらえることはできないだろうか。
本映画の主人公もそうだ。決して、旅に出たということで、馬になって帰ってきたわけではない。旅をすることで、己自身の存在をとことん見つめ直すことが出来たのだ。だから、こそ彼はラストを飾ることができる。
決して、好みの映画ではないが。大切なことを描いた良い映画だ。