黒猫道

ディス/コネクトの黒猫道のネタバレレビュー・内容・結末

ディス/コネクト(2012年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

2014/12/28
なんかこの映画、みんなに見て欲しいな。ぼくと同世代の若い人だけじゃなくて、親の世代の人にも。


僕くらいの若い世代、いわゆるデジタルネイティヴなんていわれる世代の人たちはみんな、多かれ少なかれこの映画で起きてたようなことを現実に目にしてきたと思う。
だから、人によっちゃ痛いほどこの映画に感情移入してしまうと思う。
やっぱSNSって怖いし、人間はいつまでも自己中で馬鹿だし、中学生の性欲は恐ろしい笑。

一方で、この映画を見て親世代にも身につまされるところはあるはずだ。
多くの親は“子供のことを想ってやっている”という建前を免罪符のように振りかざすことによって、実は自分の体裁のためにやっていることを(意識的か無意識かはわからないが)隠蔽し、子供を傷つける。
「おれは本心からこう行動すべきである、と考えているのだ!」と盲信し、その実“親はこうすべきである”という社会に期待される振る舞いを、自分のためにしているに過ぎない、ということに気づけない。
そんな親たちの姿がこの映画では浮き彫りにされている。
結局どこの家庭にも完璧な親なんて存在しない。
だけど、隣の芝は青く見えちまうもんだよな。


とまあ、ぼくら世代にも親世代にも刺さるもんがあるこの映画だけど、やっぱりアメリカ人だからこそ分かるって点も多いんだろうな。
自慰行為をウェブで中継して金を稼ぐ青年や報道記者の暮らし、それから退役軍人のツラさ、とかね。
あとSNSも向こうの方がよっぽど発達してるだろうし。



この映画、大きな見所は最後までなかなか無いんだけど、ぼくは見ていて飽きなかった。
ただ、何もかもが上手くいかなくて、終盤に向けてじわーっとフラストレーションが溜まるのは確か。
それでも、最後の3つの場面が交錯するシーンで全てがスカッとした。何にも解決になっていやしないんだけど。それでも、良かった。
あと個人的には自殺した男の子の生死が結局はっきりしないところも良い。
だって彼にとって必ずしも生きかえることが最善ってわけじゃないもんな。そのまま死ねた方がいい時だって、ある。
黒猫道

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