このレビューはネタバレを含みます
【塀の中の皇帝】
清朝皇帝時代は、王朝体制維持目的での象徴に過ぎず。満州国皇帝時代は日本のためのお飾りに過ぎず。
皇帝としての実績は、関東大震災時の資金援助などの慈善活動には触れられず、財産目録作成と宦官の追放による宮廷の経費削減しか描かれていませんでした。成長して満州国を建国したいと願う頃には、既に過去の遺物扱い。
歴史が大きく動く中、結局旧体制で生きてきた人々に支えられた、形だけの皇帝を通して、権力の危うさや脆さが伝わってきました。
正に時代の波に翻弄された人生と言えますが、結構したたかで、常に生き抜く道を選んでこれた人にも見えました。
紫禁城内は豪華で優雅な世界。城外は乏しい色彩の殺伐とした世界。色使いのコントラストが良かったです。
仕方ないけれど、殆ど英語と言うのは不自然に感じてしまいました。