Takumu

ラストエンペラーのTakumuのレビュー・感想・評価

ラストエンペラー(1987年製作の映画)
4.6
うおー、好き。

映像も脚本も音楽も全部いい。日本人なら義務教育で習う、清朝の最後の皇帝・溥儀の壮絶な人生が163分に収められている。数字だけ見れば長いが、実際に見てみると全然長くないし、むしろもっと見たいとまで思える。

3歳という自らの意思を伝えることも難しい年齢で皇帝に即位させられた溥儀だが、見事に成長し、その皇帝振りは、若くも聡明で威厳もあり誇り高かった。壮麗な紫禁城での華やかな暮らしは、我々と次元が違いすぎて見るのが最早楽しい。情事にお手伝いがいるのは嫌ですが。我々のような身分からすれば羨ましいこの上ないですが、溥儀の『観客のいない劇場』という言葉が印象に残っている。結局は伝統やしきたりなどという儀式の参加者は意味もわからずその役を演じているだけなのだ。

最も、史実とはかなり異なるそうですが、この映画の溥儀は最後まで誇りを忘れず皇帝であり続けていてかっこよかった。ラストの玉座へ帰ってきたシーンは胸が熱くなった。

本当にこれだけ、みんな言ってるけど、なんで英語なん。微妙に時々中国語っぽいのも聞こえてくるし、中途半端にするな。日本人は普通に日本語喋ってるし。

最後になったけど、この映画は坂本龍一がアカデミー作曲賞を取っていることで有名。けど、ディヴィット・バーンも一緒だったとは見るまで知りませんでした。この2人の曲が本当に映画に深い味をもたらしている。

時代が変われば英雄は反逆者に。
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