さわら

自分の事ばかりで情けなくなるよのさわらのレビュー・感想・評価

1.5
平日レイトショーにやけに人がいると思ったら、映画上映後に松居監督と松江哲明監督のトークショーがあった。正直個人的に映画の内容は散々で、「松江監督は何を語るのだろう」と思っていたが、まぁ歯に衣着せぬ評を展開しており、実に気持ちの良いトークショーだった。要は“作り込み過ぎ”なのだ。多くの事象を詰め込み、最後は無理矢理お涙頂戴の雰囲気を醸し出している。にも関わらず4つのオムニバスストーリーがまとまり昇華する感動は皆無(2話まではいい感じだったが)。そもそも4話に1〜3話までのキャラを登場させる脚本も安易ではないか?ストーリーの本筋には関わらないチョイ役ばかりでの再登場は蛇足に過ぎない。松江監督の言葉を借りるなら、「もっと攻めろよ」って感じ。まるく収まっていて、正直面白みに欠ける。若い女性客が多かったのも、映画としての魅力ではなくクリープハイプ、特に尾崎世界観のビジュアルや歌詞の魅力であろう。クリープハイプが好きな人にはオススメできる映画かもしれない。しかしそうでもない人には、あまりにも酷な2時間である。