OASIS

デッドマン・ダウンのOASISのレビュー・感想・評価

デッドマン・ダウン(2013年製作の映画)
2.4
妻子を殺され死んだはずの男ヴィクターが実は生き存えていて、復讐相手である裏社会のボスの手下として潜入していた。復讐の機会を伺っている男は、向かいのマンションに住む交通事故で顔に火傷を追ってしまった女性ベアトリスと出会う。そして、彼女からも事故を起こした相手への復讐を依頼されてしまう・・・という話。
コリン・ファレルとノオミ・ラパスが共演したサスペンス。

組織への潜入モノには欠かせない「バレるかバレないか」というハラハラ感はあるし、銃撃戦もあるにはある。
けれど、そのどちらも物足りない。
その原因はノオミ・ラパス演じるベアトリスの存在であるのは間違い無い。
お互い心に傷を負った者同士、その交流によって本来満たされるはずのないものが満たされ始めるから復讐への重みが無くなってしまうんじゃないかと思う。

話はヴィクターの復讐を中心に進むため、ベアトリスの復讐についてはかなりの後回しになる。
その上、彼女の決着はかなりあっけない幕切れになってしまうので後半の急いでまとめた感が酷い。
そんなに直ぐ実行できるなら一番最初に片付けてしまった方が気分的に楽ではないだろうか。
何故ヴィクターとベアトリスの復讐への綿密な準備を交互に絡めて描かなかったのだろうか?と思わずにはいられないし、「ミレニアム」の監督とは思えぬ程の粗さが目立ってしまっていた。
二人の復讐が交差する緊迫感溢れるサスペンスとして描く手腕はあった筈なのに・・・。

十分良作になり得る題材が、ベアトリスの余計な行動によって台無しになってしまったという残念さだけが残る。
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