永井聡監督の初の長編映画。
第一作からして斬新な題材で、とてもおもしろい。
世界一のテレビCMを決めるサンタモニカ国際広告祭。
さながら今はアカデミー賞の時期である。
そのジャッジする側のことが描かれている。
たしかにこうした賞レースは持ち回りや忖度だ。
それを受賞させるストーリー性も重要かもしれない。
まあぶちゃけ内容などさほど見てないのだ。
そこでどう振る舞い、どう票を集めるのか。
そうしたロビー活動が重視される。
アカデミー賞なんて、権威だけはあるくせに
つまらん作品が作品賞とったりするからな。
妻夫木聡がなんとヘタレな役。でも応援したくなってしまう。
北川景子のドSな役柄も最高。
英語の定型文やペン回しもすごいアイデア。
いい作品だ。
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2014/10/11 00:51
ジャッジ!(2013年製作の映画)
3.7
日本では、正々堂々と戦うことが良しとされているが
意外と世界ではそうでない場合が多い。結果のみが重視されプロセスはそれほど問題ではない。この映画のようにCMコンテストをジャッジする場合では、個人の好みや感性のみで選ばれるであろうし、もちろん審査員買収もあるだろう。採点競技のスポーツなどでもおかしなジャッジは多々ある。
今作は、海外の広告祭にCMを出品し、なおかつ審査員を務めることになってしまった主人公のドタバタ劇で、広告業界の裏側を描きつつ審査員の裏側も描いている。
主人公の妻夫木聡は、ナヨナヨしてて頼りないが正義感だけは強いというキャラクターで、ドジばかりでかなりウザいキャラクターでかなりハラハラさせられるのだけど、もしかしたらこれが日本人の総体的なキャラクター表しているんじゃなかろうか。指でボールペンを回す技や、ヲタクチックなTシャツを着ているところ、そしてきつねうどんの美味しさを面白い言葉で表現する。いかにも日本人ならではの発想だ。
しかし広告祭の裏側は「賞は受けるものではなく取りに行くものだ」と、その言葉どおりにそれぞれの審査員は工作活動や買収を行っているのだ。そんな状況にもかかわらず妻夫木くんだけは不正を正そうと信念を曲げない。
最初は、みんなからバカにされていた妻夫木くんだが、だんだんみんなが彼だけは間違ったことを言っていないことに気がついてくる。
もちろん、これは理想論かもしれない。
ただ、古来の武士道でも潔い生き様と死に様が問われていた。
日本人として、こういった信念を忘れないようにしたいものだ。