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いとしきエブリデイのichikawaosamuのレビュー・感想・評価

いとしきエブリデイ(2012年製作の映画)
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視聴記録:2013/11@ヒューマントラストシネマ有楽町

当たり前の日常がかけがえのないものになる


父の帰りを待ち続ける母と4人の子どもたち。パパは服役中でそこには居ない。想像したくはないけど、こんなシチュエーションに置かれるとどうなるんだろうな。そんな家族のあり方を綴った作品。

イギリスの田舎の緑の中を黄色いバスが走り抜ける光景が、見ていてとっても心地いい。そんな片田舎から、小さな子どもをつれて服役中のパパに会いに行く。

いつも居るはずのパパが家には居ない。パパは塀の中に居て普段は会えない。だからこそ、会えた時、その瞬間がとっても大切な時間になる。「今、ここに生きる」。そう言ってしまえば、ありきたりな表現になってしまうが、その時の気持ちは計り知れないものだと思う。

本当は、塀の中に入らなくても、この大切な時間を感じられるんだけど、ボクたちはそんな大切な「今」をなんとなく過ごしてしまってるんじゃないかと。

ぼくが心に残ったのは、パパの仮出所の日。パパとママが子どもたちを公園に残して、二人っきりで抜け出すシーン。その時のパパとママの表情が、初めて出会った時のように、なんとも言えない嬉しさがこみ上げてきてる感じがたまらなかった。
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