故ラチェットスタンク

her/世界でひとつの彼女の故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
4.6
凄い。殆ど完璧な映画だ。

便利さと寂しさの共存する近未来の世界観
明るいが同時に空虚
本当の温かみのない映像がこの世界に住む人々の心を美しくも儚く描き出していく。

ホアキン×スカジョという現代史上最高な俳優のW主演、そして2人の見事な演技力
片方は表情で、片方は声だけで、とにかく繊細に感情を語っていく。
演技だけでなくセリフによっても2人の距離が徐々に縮まっている感覚がダイレクトに伝わるのは正に脚本の妙

舞台、小道具、大道具、設定全てが独創的で新鮮でありながら豊富なノスタルジーも抱えている。

心に穴を抱えた中年と世界にときめく少女の物語

恋の痛みを現代の社会風刺とともに貫いた傑作