故ラチェットスタンクさんの映画レビュー・感想・評価

故ラチェットスタンク

故ラチェットスタンク

ANORA アノーラ(2024年製作の映画)

4.3

『Divorce Story』

 第一幕は若干退屈した(し、それによってその後の話で通底するアノーラの行動動機がやや説得力に欠ける印象は受けた)が、第二幕、第三幕は見事だった。豪邸でのスッタモンダに
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ウィキッド ふたりの魔女(2024年製作の映画)

3.8

油断していると置いていかれる。大分ポピュリズム時代の作品だなと。まんま『Popular』なんて曲も出てくるぐらいだし。学園ドラマを使って「株が上がるか/下がるか」それだけが全ての価値観となった社会の構>>続きを読む

夏の庭 The Friends(1994年製作の映画)

4.1

『お引越し』同様に、夏休み、お盆という彼岸と此岸が曖昧になる浮遊感を「社会に接続されていない者」の浮遊感と重ねて描くナラティブ。ジリジリとした気怠いムードが続く。橋の縁(へり)に立って「死」について語>>続きを読む

お引越し(1993年製作の映画)

4.3

白眉はやはり浴室に閉じこもってからの一連のシーケンスだろう。子どもが仮構した防壁としての扉。さして頑強でないであろうそれを、しかし、あくまで鉄壁として認識し、そのルールに則りながら大人は説得を試みる。>>続きを読む

おかしな、おかしな、おかしな世界(1963年製作の映画)

4.2

端から端までユーモラス。ダイナミックな画面内のアクションの連続。とにかく物が画面の中を吹っ飛ぶ。あらゆる物が走り、擦り切れ、ぶつかり凹み、ひしゃげる。どんがらがっしゃんと物が落ちる。道から道へ、走れそ>>続きを読む

R.O.D -READ OR DIE-(2001年製作の映画)

3.4

あまり本が好きそうな感じがしない、と言うふうに見えますが。

アイデンティティー(2003年製作の映画)

3.3

サスペンスは巧いんだけど、そのオチはなんか身も蓋もなくない?笑

アメリカン・ナイトメア(2000年製作の映画)

3.5

『アメリカン・ニュー・シネマ 反逆と再生のハリウッド』とセットで見ると面白いかも。当時の恐怖映画が何を反映させ、どういった感性に基づいていたかが概ね分かる。取材内容自体はどうでも良いパートもいくつかあ>>続きを読む

アメリカン・ニューシネマ 反逆と再生のハリウッド史(2003年製作の映画)

3.7

お勉強で見た。公民権運動、ベトナム戦争etc…を経た70年代以降に大きな流れとして生まれたアメリカン・ニューシネマの大まかな価値観と流れが分かる。時代の気風を反映させつつ政治色を強く持たせる映画が増え>>続きを読む

コップランド(1997年製作の映画)

3.8

苦しい話だ。怠惰に生き、長い物に巻かれ、良心の呵責が行動を導く頃には既にほとんど手遅れで、どうにか後戻り出来ても憎まれる事しかなく、多少の縁付きの香りすら、漂う事はない。どこか空疎なスタローンの佇まい>>続きを読む

ジョン・カーペンターの 要塞警察(1976年製作の映画)

3.8

『ゼイリブ』の地味で不必要に長いどつき合いシーンと同じく、中盤に挟まる地味で不必要に長いサイレンサー銃による銃撃シーンが、地味で不必要に長くて良い。あと、終盤のタバコの件(くだり)が完璧。末尾で煙が晴>>続きを読む

ブレスレス(1983年製作の映画)

4.4

脳内麻薬だけで生きている人間を巧みに映す映画ほどスリリングで楽しいモノはないと思う。追い詰められた時に脳内で音楽流してドーパミンで頭ドバドバにしてから大博打打つの、理性で本能を引き出してる感あって凄い>>続きを読む

(2025年製作の映画)

3.7

主演の長塚京三さんの清楚な立ち振る舞いがとにかく説得力があって良い。逆にナイーブさと卑近さが際立つ。死に際を飾り立てようとしても寧ろ沢山ボロが出る。そこそこ健康的に生きてるから性欲も存外に健在、という>>続きを読む

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.7

『パルプ・フィクション』なる物の元ネタらしいが、細身の主人公の腹筋がバキバキで、そっちの方が気になってしまった。

回転(1961年製作の映画)

3.6

黒沢清的なる物の源流らしいが、インモラルなおねショタの匂いが若干漂っており、そっちの方が気になってしまった。

short6(1999年製作の映画)

3.8

一番楽しみにしてたクローネンバーグの短編が一瞬で終わってしまい、ショックだった。他の短編も良かった。全体的にデジタルネイティブ的な引用が目立つ。

ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!(2024年製作の映画)

3.5

いつも通りサクッと楽しめる。相変わらず右→左の構図が多いのは何でなんだろう。クライマックスの電車の件が綺麗に前作の強化/反復になっている辺りが単純なんだけどやっぱアガるね〜。

ブルータリスト(2024年製作の映画)

-

画面にあまり集中できず重要な台詞をかなり聞き逃したと思うので普通に見返したい。撮影は良かったです。OP最高だね。

キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(2024年製作の映画)

3.1

『素晴らしき新世界』

 地に足をつけようとするポリティカル・サスペンスとしては画面の緩さが若干目立ち過ぎる部分があり、全体的には乗れず仕舞いだったが、想像していたほどの落胆はなく、どちらかというとポ
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トワイライトQ(1987年製作の映画)

3.4

いや、やっぱ世界とか虚構だよね!というノリのいつもの押井守。

宮本武蔵 -双剣に馳せる夢-(2009年製作の映画)

3.9

とんでもなくユーモラス!教材とか学術的な論文にも使えるんじゃないだろうか。自らの説話性、物語性、虚構性を冒頭で開陳してしまうのは非常に押井守的。

オーダー(2024年製作の映画)

4.0

男を静粛(=Order)にさせるアバンに始まって、二つの命令(=Order)違反が描かれる邂逅場面、物語自体も秩序(=Order)を復古させようとするテロリストと体制(=Order)を守ろうとする公権>>続きを読む

舞台「鉄人28号」(2009年製作の映画)

3.8

立喰師、犬、戦後日本、衒学台詞、底抜けの明るさを称えるコメディ。そういったモチーフ、トンマナは非常に押井守的。

28 1/2 妄想の巨人(2009年製作の映画)

3.8

少々ふざけ過ぎていると感じますが、豪華カメオ出演が見られるギャグシーンでお腹いっぱい。撮影現場での恐ろしい追い込みは本当なのか掴みかねる。それはスチールカメラマンの存在に起因するだろう。虚構と現実の境>>続きを読む

Avalon アヴァロン(2000年製作の映画)

3.9

押井守が美しい女性を撮りながら衒学会話をしたかった感じの映画。銃も出てくるよ。

トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

3.9

『九龍不敗!』

 リンチを決行した男衆4人が、男を乱暴に持ち上げ、宙から床へと、繰り返しその身体を叩き付ける。この過激な上下運動は終盤においても、綱/縄を用いる形で、よりマッシブなダイナミクスを称え
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エマニュエル(2024年製作の映画)

3.6

なるほどって感じだ。三者関係、あるいは見つめられる事による自己の回復。批評家として他者にしか意識を向けられないでいた主人公が、ホテルでの交友を通して再生していく。被写界深度の弄り方など、平板だがここぞ>>続きを読む

ビーキーパー(2024年製作の映画)

3.5

だから、恐らくステイサムが敵を追い込み殺戮する場面の多くにおいて、彼の移動経路や動線が全くと言っていいほど確認されず、されたとしても申し訳程度のショットの繋ぎで流されていくというのは、彼が虚構的存在者>>続きを読む

少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録(1999年製作の映画)

4.1

上下が極端に広がり、紅白黒の幾何学的で鮮烈な色合いで彩られた学園を筆頭にして、宙を舞う薔薇の花弁や庭を満たしていく水、腰まで届くロングヘアなど、凡ゆる記号表現が、よりマッシブかつカリカチュアされた形で>>続きを読む