菩薩

her/世界でひとつの彼女の菩薩のレビュー・感想・評価

her/世界でひとつの彼女(2013年製作の映画)
3.7
「はぁ?」ってなるかと思ったら「はぁ…」ってなったってなんで誰も書かないのか分からない、安心しろ、俺にはもう失うものなどない。ついでに言えば俺が期待すべき未来はこれではと思った、高難度テレフォンSEXも鍛え抜いた妄想力を持ってすれば太刀打ち出来るような気がする(嘘嘘嘘…)。「恋愛は社会が許容した狂気の一種」ってのは常々思う、長年独り身でいると恋人がいた時の自分が気狂いにしか思えない(マジで)。恋愛って誰かの肉体を拘束する権利と誰かの人生を縛り付ける権利を有する行為じゃなくて、誰かの肉体を解放し誰かと人生を共有しながら生きていく権利を有する行為なのだろうし、世界を狭めていくのではなく広げていく事にこそ意味があるんでしょきっと。そこには多種多様な「裏切り」が存在するし、セオドアの場合は「サマンサはきっと僕を裏切らない」って過信があって、それって結局恋愛じゃなくて「支配」なのよね。肉体を所持しない彼女だからこそその感覚が希薄になってたのだと思うし、そう言った関係の破綻と進化の行き着くところが「死」ってのは同じなんだと思う。にしてもちょこちょこ回想シーンで出てくるルーニー・マーラーがべらぼうに可愛いし、ルーニー・マーラーって聞くといつも一瞬「業界用語?」ってなる。最後がチャーリー・カウフマンみたいに終わる、個人の世界に没入し過ぎて道行く他者になんの関心も払わなくなって行く世界の加速には、確固たる反感と恐怖心を抱いている。
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