ま

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語のまのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます

個人的に1番気になったのは、ほむらの最終的な選択に対する代償のなさです。
途中までは、てっきり
①神まどかの願い通り円環の理を存続させ、ほむらの思う人間まどかの幸せについては忘れる(ほむら的に納得いかないけど神まどかの願いだから良いとする)
②ほむらの思う人間まどかの幸せを優先させ、神まどかの意志である円環の理をぶっ壊す(=再び魔法少女が魔女になる世界に戻す)
という、まどかの2つの幸せのうち、どっちを選ぶ?という究極の二択をほむらに悩ませるのかと思っていました。
しかし、結局取られた「円環の理は存続しつつ、まどかの人間部分?だけをパクってくる」という選択は、特にほむらにとって辛い代償はなく、世界的にも円環の理が動いてるから悪いことナシでええやんって思いました。
円環の理が動いてるから、神まどかの願いは叶ってるし、再び家族や友達と会えるから人間まどかの願いも叶ってるしスーパーハッピーじゃないですか?パクってきた人間まどかが神に戻ろうとしてるのを引き留めるときも「まあまあ、あなたの神部分が円環の理になってるから、人間部分のあなたはここにいたらええねん」って思えそうですが…。
薄々ほむらが、ほむら自身が感じた人間まどかの願いが自身の願望による虚構だと思っているのなら、まどかに対して洗脳しちゃったなあ、大切なまどか自身の願いのためではなく自分の欲望のために動いちゃったなあという罪悪感を感じるのは分かりますが、ほむらが聞いた人間まどかの願いも、あれはあれでまどかの嘘偽りない願いだと思ったんですが…(もちろん、天秤にかけたとき、神になる方を選んでしまいますが)。
円環の理の一部になってた友達たちを巻き込んでまた人間に戻してしまったり記憶を改竄しちゃうのはゴメン案件ですが、そこはあまりほむらのつらい代償として大きくないように思います。

魔女の自身が神まどかに接触したら、キュゥべえに神まどか支配される!だからまどかに正直会いたいけど会わんとこ、殻の中でずっと魔女でいよーっていうところらへんまでは、ほむらの願いに対する代償がきちんとあって納得できてたんですが、なんか突然、事前の伏線などもナシに、愛の悪魔パワーで人間まどかだけ引き剥がせちゃうんだ〜便利やな〜今まで悩んできたほむらの「まどかの幸せは何なのか、本当に神にして良かったのか」「納得いかないけど、せめてまどかの愛した世界を守らなきゃ…本当に納得いかないけど」という葛藤が一気に消え失せたなあと思ってしまいました。

それとも、一部パクられてしまった円環の理は、何らかの不都合が起きるんでしょうか。その辺描写あったら良かったんですが…。

そのほか内容以外では
理屈やキャラクターの感情の設定は良いと思いますが、後半に一挙に、しかも映像としてではなく台詞で全部明かすことで、無駄に観客を突き放し難解にしてしまう要因になっていると思いました。設定を変えずに、もっと分かりやすく、尺を長めに使い、映像に落とし込んだ描写方法があると思います。

あと、前半1時間の誰が何をする話なのか分からない時間が苦痛すぎたので、違和感のある理想の幻世界の表現として必要なのは分かりますが、3分の1くらいの長さでいいと感じました。ただ、他の方のレビューを読むと、ファンサービスとして喜ばれているみたいなので、そういう意味でファンのためだけに作ったのであれば、熱心なファン以外が苦痛に思うのは織り込み済みなのかも知れませんが…。
また、TVアニメのときはその異質さが際立っていた魔女と対峙する際のメルヘンな世界も、今回のようにずっと出ずっぱりだと画として常に延々と情報量が多く、シーンにメリハリがないため映像に疲れました。

色々書きましたが、私はほむらの葛藤や意志が好きです。
ま