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もらとりあむタマ子のtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)
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前田敦子はいいんだけど


離婚した自営の父のいる実家にもどってニートをする娘の話なんだが、モラトリアムを謳歌(?)する前田敦子の実在性感は素晴らしい。
前田敦子がかったるそうに食事をする様、くでぇっとしながら漫画を読む様などが映った瞬間の「こいつはダメだな〜」という説得力は強烈。

自身を棚に上げて世の中に不満を漏らす娘に『ダメなのはお前だ』と苦言を呈する父は何だかんだで娘を心配しており、観ていてほっこりとしてしまう。

実家のあるどこぞの地方都市の閉塞感や都市から実家のある地方への出戻った主人公が同級生と会ったときの気まずさ、地元の中学生のイモっぽさなどディティールを丁寧に描写しているためかなり没入出来る。

しかし、主人公の『一応の成長』に個人的には同感できず、そのせいか間延び感を感じざるを得なかった。
全ての映画に成長を持たせる必要は無いのだけど、個人的に上がる『成長』『変化』ではなかった。
オフビート感はいいのだが、もう少し山が欲しい。
とはいえニートの映画なので脱力しつつ地方都市に住む親子をほのぼの観る分にはいいのかもしれない。
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