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遥かなる勝利へのmhのレビュー・感想・評価

遥かなる勝利へ(2011年製作の映画)
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二部作の後編で完結編。
蚊視点の導入からはじまって冒頭のエピソード(ドミートリから逃げたいコトフが、先走ってドイツが待ち構える砦目指して突撃するの)に一時間以上かけたけど体感あっという間。でも、話がぜんぜん進んでねー。
コトフの家で、一作目と同じシチュエーションを再現してるのがいちばんやりたかったところなんだろうね。
楽園だったあの場所はもうこの世のどこにもない。その原因はすべてスターリンと英雄コトフにあるのだった。
ソ連製プロパガンダ映画を何本も見てきたせいで、ろうそくの明かりにうごめく限りなくリアルなスターリン(背が低くあばた面で土気色)には感動すら覚えた。(ググると、これは批判されたらしい)
終盤の盛り上げ方は要審議。コトフが先陣切るくらいはまだ許せるとして、ラッキー大爆発からの、地雷原ダッシュからの、地雷踏んだあれはマジいらない。二作目の童貞におっぱいプロットよりもひどかった。
一作目にはあったマジックが続編二作にはもうなくなってしまったので、その分エンタメ的ご都合主義で補填してみた感じかな。
あの謎の光源が懐かしい。
一作目のラストにその後全員死んだとのスライドがあった。無理矢理生き返らせての続編かと思ったらそうじゃなくて、あのスライドには書かれてなかった死に様を詳しくやってくれたんだね。最後まで見て企画意図をようやく把握した。
三作すべていろいろ攻めすぎなんだけど、なかでもスターリン批判というスタンスにいちばん意味があったような気がした。
ソ連時代にはいろんなプロパガンダ映画のいろんな三部作があったから、ロシア映画界の名誉挽回という意味合いもあったんじゃないかな?
なんだかんだでめちゃ面白かったんだけどね!
mh

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